昔と比べ尿酸値が増加した理由は欧米化の食事
昔と現在の日本を比較すると、高尿酸血症が高めで痛風患者が急増しています。
「なぜ高尿酸血症が高めになったのか?」そもそも「尿酸値が高め」とは、どういう状態なのか?理由を説明していきたいと思います。
尿酸値と聞くと、その名称から「尿の酸性度を示しているのではないか?」と思われる人もいるかもしれませんが、そうではありません。尿酸値とは、血清尿酸値または血中尿酸値とも呼ばれ、血液中に尿酸という物質がどれくらい含まれているかの値のことを言います。
尿酸のことを簡単に説明すると、体内に残っている細胞の老廃物です。つまり、体内で代謝されて、最後に残った物質が尿酸ということになります。
血液検査や人間ドックなどで、尿酸の値が基準値を超えた場合に「尿酸値が高め」と医師に指摘されます。このような状態を医学的に高尿酸血症と言います。
高尿酸血症を放置していると、やがて足の親指の付け根などに激痛の発作を起こします。これが痛風という病気です。痛風については一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、実は、明治以前の日本には痛風患者はほとんど見られませんでした。
欧米の先進国では当時から痛風に掛かる人が多かったようですが、日本で痛風に掛かるのはごく限られた富裕層の人だけで、一般庶民とは縁のない病気でした。
ところが、昭和30年(1960〜1970年代)の高度成長期をさかいに、痛風患者数が急増しています。ここで痛風患者が関係してくるのが、欧米化の食事の内容です。
昭和中期の時代は和食が中心で、「低脂肪、低タンパク、低カロリー」の食生活を送っていました。それ以降、海外との食品流通がしっかりとすることで、食の多様化がじょじょに変わり「高脂肪、高タンパク、高カロリー」の欧米食へと変化し始めます。
欧米食にともない、肉類や牛乳が大量に普及し輸入されるようになったということも、大きな変化の一つです。輸入に伴う、食の多様化は良いように思えますが、全てにおいて良いということではありません。
その一部として、肉類や糖分の高い食品、アルコールなど飲み物を輸入し、毎日のように食べることで、当然のように「高脂肪、高カロリー」になります。そうなることで、
原因で起こる尿酸値の上昇です。
つまり、欧米からの食品流通により、動物性食品を過剰摂取が原因で、痛風患者が増加したということになります。